30歳から始めた3Dモデリング。0からスタートして続けられた理由(わけ)

 

 

 
はじめに

2021年1月で33歳になります。

良い節目かはわからないですが、最近考えを文章に残す大切さを感じたり、自分の考えを外に晒す事に対する考え方が変わったので、文章を書こうと思いました。

創作を始めてから、分からない事を調べたり、人に聞いたりする中で、色んな人に助けられている事をより感じるようになりました。

 

その人達に直接有難うを言う事も大切ですが、「色々な人から何かを貰っていた自分が、今度は誰かに何かをあげられるようになりたい。」


そうすることが、今までお世話になった人たちへの恩返しにもなると考えました。

 

思いを繋ぐなんて言うと大げさですが、私の体験や考えを形にする事で、読んだ人に何かプラスになれば良いと思ってこの文章を書いています。

 

 

 


この記事の位置づけ

 

「新しく何かを始めて・続ける」というのはとてもエネルギーが要る事だと思います。

 

私は3Dモデリングを始めるまでは、創作というものを殆どしてこなかったオタクでした。


絵が描けるようになりたいと思い、sai(イラストソフト)を買ったりペンタブを買ったり教本を買ったりするも、結局絵を描かないから描けるようにならない奴でした。

少し描いてみて下手さに絶望して描かない、結局ゲームや漫画を消費して楽しむ、そんなオタクでした。

 

そんな私が2018年5月に3Dモデリングを始め、ペースはゆっくりですが現在まで続ける事が出来ており、2020年5月にはBoothにて3Dモデルの販売も行いました。

 

当時の私が何を考えて0から3Dモデリングを始めたのか、どうして続ける事が出来たのかを振り返り、文章にまとめる。

 

そうすることで、自分自身が「新しく何かを始める・続ける」場面で必要なエネルギーを作る参考になると考えました。

 

また、この文章が「新しく何かを始めて・続ける」誰かの助けになれば良いなと思っています。
 ※この文章はあくまで個人的な体験と考えをまとめたものであり、他の意見を否定したり、私の考えを強要するものではありません。私個人の見解としてお読み下さい。

 

 

 

3Dモデリングを始めたきっかけ


私は2018年5月15日頃にVRChatを始め、自作アバターでVRChatをしたいと考え5月24日にモデリングを始めました。

 
自作アバターでVRChatをしたいと考えた大きな要因は

  1. 容姿の制限がない世界であるなら、自分が好きな姿で遊びたい。
  2. 配布アバター等(当時はアバター販売の文化が無かった)を使う際の規約全把握が面倒で、誰にも何にも文句を言われず遊びたい。

この2点です。


当時は「安全に」「独自性があり」「自分の好みに合った」アバターを使うには

自作するのが一番であったと思います。(個人的な意見です。)


前述したように、私はそれまで創作経験が殆ど無く、イラストやモデリング等の知識もありませんでした。


何も積み上げてこなかった自分がモデリングを始められたのは何故か

 

一番大きかったのはやはりZenさん(https://twitter.com/FeelzenVr)の存在です。

 

 


Zenさんがモデリング講座動画を上げてくれていなかったら、今こうやって文章を書いていることはないでしょう。

世の中には1を2にする為のコンテンツは数多く有っても、0を1にしてくれる物は数少ないので本当に感謝しかありません。

 

次に大きかったのは窓先生(窓口基先生:https://twitter.com/R_adical)です。

 

元々、窓先生の描く漫画や絵が好きでTwitter等フォローさせて頂いていたのですが、

私がVRChatを始める少し前に窓先生がVRChatレポ漫画やモデリングの進捗をTwitterに上げられていて、自分もやってみたいという思いが強くなりました。

 

また、Zenさんの動画を知ったのも窓先生がモデリングを始めるのに便利なリンクをTwitterにまとめて呟いてくれたからでした。

 
「3Dモデリングを始めたいが何もわからない」、そんな私はZenさんの動画や窓さんが呟いてくれた便利リンクなどを頼って始めました。

 

 

 

 

アバター完成までモデリングを続けられた理由 ~「0地点に居る自分」を認める~

 

ここで一つおかしいところが有ります。

いくら当時の状況がそうだからと言って、いくら素晴らしい動画や講座により始める事が出来たからと言って、

それまで何も創作をしてこなかった30歳が、0からモデリングを始めてキャラクターモデルを完成させるまで続けるモチベーションをどうやって捻出したのか。


これがこの文章の肝だと思います。


理由について色々と振り返り考えを巡らせましたが、一番大きかったのは

 

 「大いなる勘違い」によって

  「0地点に居る自分」を認める事が出来たからです

 

 


説明をします。

 

 

前提として、

私は絵を描けるようになりたいと思っても、描かないから描けないオタクです。


つまり、新しい事をしたいと思っていても出来ていません。

 

何故描けない(出来ない)のか、一番の大きな理由は

「他人(インターネットに絵を上げている人)と比べて(今の)自分が劣っている事を許容した上で絵を描いて上手くなる努力をする」という事が出来ないからです。

これに関しては、色々と言い訳をしたいぐらいピンポイントな理由で、この文章を書いている今もキーボードを叩く手が何度も止まっています。

 

自分より上手い人が大勢いる中で、下手な自分を晒す事、

いや、「下手な自分を認める事」が出来ません。

書いていて滑稽ですが、現在進行形のまぎれもない事実です。

 

そんな臆病な私が2018年5月、憧れの存在である窓先生がモデリングを始め、

その進捗をTwitterで呟いているのを見て

 

「絵が上手い窓先生でも、3Dモデリングは0から始めている。つまり、何も出来ない自分でも今始めれば、憧れの窓先生と同じスタート地点で始める事が出来る!!」


と、何の根拠も無いのに何故か勘違いしました。

 

※実際にはこれは大きな間違いで、

    今思い返すと思い返したくないぐらい恥ずかしい勘違いです。

 

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しかし、結果としてこの勘違いは私にとってとてもプラスになるものでした。


当時は自覚しておりませんでしたが振り返って考えると、この勘違いにより自分の中で、「0地点に居る自分」を認める(肯定する)事が出来ました。


つまり

 「憧れの窓先生だって0から始めてるんだから、

            自分だって0から始めてもいいだろう。」

 

こんな考えが正直有りました。

(思い出すと顔から火が出るぐらい恥ずかしいので文章書くの辞めたいです。)

 


「0地点に居る自分」を認める事が出来たので、

1だけ成長した自分を自分自身で認める事が出来るようになり、

1の次は2、2の次は3と、少しの成長を楽しむ事が出来るようになりました。


また、既に1000や10000と積み上げた人達の結果と比べて、今の自分が劣っている事を許容出来るようになったので、3Dモデリングを始めたばかりの進捗を他人に見せる事に抵抗が無くなりました。

 

 

 

 

 

こうして、3Dモデリングをスタートさせるエネルギーを得て動くことが出来ました。

例えるならロケットを打ち上げる1段目のエンジンが動きました。

 

「0地点に居る自分」を肯定させてくれた大きな勘違い。

これを「大いなる勘違い」と呼んでいます。

 

 

 

 

アバター完成までモデリングを続けられた理由 ~その他~

 


モデリングの進捗をTwitterに上げる事で、他の人から反応を貰え、「0地点に居る自分」を認める事が出来たので、その反応に対して素直に喜べるようになりました。

この時、VRChat界隈の方々がとても優しく、進捗を上げるといいねやRT等で反応を頂けた事は非常に制作の励みになりました。

この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 

3Dモデリングをするエネルギーは得ましたが、次に「何をもって完成とするか」と言うことが問題になりました。

 

目標は「自分の好きな容姿のアバターを作る」です。

 

ですが、今の自分の力量で理想を全て実現することは出来ません。
そして、作っている間にもVRChatでは日々面白い事が行われています。

1日でも早く自作アバターでVRChatがしたい!

 

なので、まず妥協をしました。

不完全でも完成を目指して、1日も早くアバターをVRChatにアップロードする事にしました。


「完璧を目指すよりもまず終わらせろ」
って、テル〇エ・ロ〇エに出てきそうな顔した人がろくろ回しながら言ってる画像を

ネットでよく見ましたし、多分この判断が良かったと思います。


さっそく出来る事は頑張って、無理だと思う所は妥協しました。

 

・ポリゴンで大まかな形を作る事はなんとか出来そう。キャラクターデザインは無理。

→ Zenさんが配布している3.5等身の3面図をお借りしました。自分は高身長・褐色・巨乳のキャラが好きですが、高身長は諦めて胸だけは盛りました。

 

・ボーンとウェイト、何も知らない。

→ 窓先生が紹介してくれたリンクにMixamoという自動でボーンとウェイトを付けてくれるサイトが有りました。権利的にもVRChatで使って大丈夫です。

 

・色塗り何もわからん。
→ クリスタを買ったのでレイヤーを使ったお絵描きをする環境はありました。頑張れるだけ頑張って、出来ない部分は単色塗り潰しにしました。

 

 

こうして、妥協したり頑張ったりした結果、モデリングを始めて約3週間で初めての自作アバターが出来ました。

 

 


「小さな進捗でも人に見て貰って反応を喜ぶ」・「完璧を目指すよりも不完全でいいのでまず完成させる」

 

「大いなる勘違い」により始める事が出来た3Dモデリングですが、アバターを完成させるにはこの2点が大切な事でした。

 

 

 

 

継続するモチベーションをどうやって生むか


妥協した結果、3DモデリングによりVRChatで使うアバターを作る事が出来ました。

 

しかし、目標である「自分の好きな容姿のアバターを作る」を達成するにはまだまだモデリングを続ける必要が有り、その為のエネルギーが必要です。

ロケットに関して詳しくは無いですが、イメージとしてはロケットの2段目のエンジンに火をつけより高く遠く飛ばす為のエネルギーが必要な感じです。

 

これに関しては、単純に「好き」をエネルギーとして使いました。

 

巨乳・高身長・爆乳・筋肉・豊乳・褐色・南半球(乳の下半分の事)・高身長・巨乳・褐色・爆乳...等々、好きな事を形にしたいという思いを素直に出しました。


そして、ここでも妥協を使って無理ない範囲で少しずつ前に進むことにしました。

 

 


高身長にしますが、3面図は描けないので前のアバターの素体を変形させて作り、

約2週間で2つ目のアバターが出来ました。

 

 

 


そして、ここから暫くVRChatで遊んでいてモデリングから離れました。

 

 

妥協出来る事は悪い事では無いのですが、一長一短でもあり、

自分の中で「これでいいか」と思ってしまい、新たな製作が遅くなりました。

 

 

 

 
結局、2018年6月末に2つ目のアバターを完成させた後、次にモデリングをしたのは2018年11月頃でした。

 

この時、モデリングを再開するエネルギーを生む一番の刺激となったのは、VRChatでアバター制作をされている方々にお会いする事でした。

アバター制作をされている方の「好きを形にしているエネルギー」に触れる事で、自分の「好き」に対して改めて向き合う力を頂きました。

 

 

一方、創作勢の方々と交流し、素敵なアバターを見る事で、

馬鹿な自分でも流石に気づいた事が有ります。

 

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そう、この辺りで「勘違い」をはっきりと自覚しました。

 

 ・テクスチャが描けない
 ・そもそもキャラクターデザイン、3面図が描けない                

等々の問題を解決し、

3Dモデリングをしてアバターを作る為には、2Dの力が必須…!!!


滅茶苦茶困りました。当時の自分のTwitterを見返すと悩んでいる様子が伺えます。


苦悩を語ると長くなるので乗り越えるために主にやった事を列挙します。

 

  • 最低限頑張るテクスチャを決める。一番人に見られる髪・瞳と自分が好きな下乳と腹筋のテクスチャは何とかする。
  • デッサン人形を参考に、雑でも最低限の体(特に胸部)のラインを描いて正面図と側面図を作る。
  • 服のデザインなんて出来ないので、衣装はまず素体を作ってから考える。
  • 只管インターネットで参考になりそうなイラストや写真を探す。
  • 服を着せて人に見せられるようになった段階で、未完成でもVRChatに持っていき、どんどん他人に見せて意見を貰う。


他にも細かくありますが、主には今まで創作でやってきた事の応用でした。

「自己肯定をして少しでも進む」「妥協する」「進捗の共有」「好きを力にする」

 

これらに加え新しく気を付けた事があります。

それは「真似する事を忌避しない」です。

 

この頃、自らが創作をするようになった事で、実力もないのに「オリジナル」に囚われ悩む事が増えました。

ですが、改めて自分の実力を考えた時に、真似しないと何も出来ないという事実がありました。


これに向き合い、「真似出来る事は真似する」と決めました。

 

そして、テクスチャを描くときにはインターネットで色々な塗り講座を見て、

自分が好みのものを真似しました。(無論、実力不足で完全には真似できません。)

 

こうして、概ね2019年1月末頃には3つ目のアバターが形になりました。

 

 その後は、3つ目のアバターの衣装改変を作ったり

 

 

 

 

 

新しいアバターをBoneやウェイトも含め1から全て作り、アバター販売を始めたりしました。

 


また最近は二次創作のモデルを作って、MMDを少し触ったりしていました。
この辺りも色々と語る事は有るのですが、書くと冗長になり、少し主題から外れるので割愛します。

 


まとめると、継続するモチベーションを生むには、前項までで述べた事に加えて、
「好きをエネルギーとして使う」・「他の創作者と交流や情報交換をする」という事が大切でした。

 

 

 

結論

 

何もしてこなかった私がモデリングを30歳から始め、

               0からスタートして続けられた理由。

 

それは、「大いなる勘違い」により

「0地点に居る自分」を(無意識にでも)認めて

          歩き出す事が出来たからです。

 

続ける為には

  • 「小さな進捗でも人に見て貰って反応を喜ぶ」
  • 「完璧を目指すよりも不完全でいいのでまず完成させる」
  • 「好きをエネルギーとして使う」
  • 「他の創作者と交流や情報交換をする」

等といった事も大切でしたが、

それらを行う為にもまずは、「0地点に居る自分」を認め少しの成長を楽しむ事が出来るようなったり、他人と今の自分比べた時に自分が劣っている事を許容出来るようになる必要が(私には)ありました。

 

 


自分の実力に真摯に向き合い、好きをエネルギーとして努力する。

 

 言葉にすると簡単ですが、実際はとても大変な事でした。

ですが、人間と言うのは不思議なもので、やるとやれると言うか、やっている間は意外と意識せず出来ている事が有ります。

 

逆に、出来ないときはいくら頑張ろうとしても出来ない時が有ります、有りました。

そんな時は出来ない自分を否定せず、「出来ない自分を認める」ように意識して、気分転換に遊んだり別の事をして悩まないようにしました。


そしてまたやれる時にやる。個人が趣味で創作をするならそんな感じでいいんじゃないかと私は考えます。

 

 

 

私は馬鹿で単純なので、「大いなる勘違い」をして

「憧れの人が0から始めてるんだから、自分が0から始めても良いじゃないか」

と開き直り「0地点に居る自分」を肯定する事が出来ました。

 

しかし、この文章を読んで頂いている方々の中で

モデリングを始めたけどすぐ止めてしまった」

モデリングをやってみたいけど、中々始められない」

など悩んでいる人が居たとしても、「大いなる勘違い」をする事は無いと思います。

 

 


でも、

  今ここに「モデリングを0から始めて続けている33歳のおっさん」

                   は勘違いではなく確かに存在します。

 


なので、

誰だって0からモデリングを始めてもきっと大丈夫で、

誰だって勘違いなんて要らず「0地点に居る自分」を肯定する事が出来ます。

 

 

色々な人が0を1にする事が出来るように、手を差し伸べ続けている人が居ます。


自分もその人に助けられた一人として、自分の体験と文章が、誰かが0を1にして1を2する力を生む為の手助けになれば良いなと思います。